危機管理 2015 9 19

 内戦が続くシリアにおいて、
ロシアは、アサド政権に軍事的な支援を強化しつつあります。
一方、アメリカは、反体制派を支援しています。
 ロシアにしてみれば、
イラクからシリアに広がる「イスラム国」対策には、
シリアのアサド政権を支援する必要があると考えたのでしょう。
 さらに、ロシアは、
シリアの反体制派を支援しながら「イスラム国」を空爆するアメリカと、
部分的に利害が一致するとも考えたのでしょう。
ロシアは、「イスラム国」への空爆も意欲的かもしれません。
 しかしながら、中東におけるロシアの参戦は、
偶発的な戦争を招くだけでなく、
中東における「最終的な戦争」の引き金になる可能性があります。
 もちろん、ロシアは、
「最終的な戦争」によって、
中東の原油と天然ガスが絶望的になっても、
ロシア自身が原油と天然ガスの大国なので、
漁夫の利を得られると考えているかもしれません。
 アメリカにとっても、シェール革命によって、
アメリカ自身が世界最大の産油国になったので、
密かに「中東における最終的な戦争」を望んでいるかもしれません。
 中国は、21世紀における超大国になり得ない上に、
パワーゲームの脇役で終わるでしょう。
 なぜならば、中国は、中東の原油に、
あまりにも依存しているからです。
 2003年から2008年にかけて、
原油相場が高騰したのは、
当時のブッシュ政権が中国の台頭を抑えるためだと、
市場では、ささやかれました。
 中国は、あまりにもエネルギー効率が悪いので、
原油相場の高騰は、中国経済にはマイナスです。
 今は、原油相場は、全く違う局面になってしまいました。
この相場も、「人為的だ」と言われています。
 昔、商売をしている知人が、こんなことを言っていました。
「捨て身の商法」という話です。
それは、販売価格をひたすら下げていくというのです。
 私が「そんなことをしたら、大損だ」というと、
知人は、「ライバルが倒産したら、値上げをする」というのです。
 要するに、ライバルが倒産するまで、
値下げ競争を続けるのです。
 考えてみれば、世界において、
商品供給が1社のみという商品があります。
あるいは、2、3社で市場を独占という商品が多いですね。
 さて、「中東における最終的な戦争」を、
誰が望み、誰が利益を得るのか。
原油と天然ガスがキーワードです。
 このようなことになるのも、
世界が原油と天然ガスに依存しているからです。
 一時期は、原発ブームが起こって、
原油と天然ガスの依存から脱却かと思われた時期がありました。







































































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